ヤカンによるラカンのハルキ/室町 礼
 
ょうか。
あるいは性的な欲動は虚しいものだとでも。
もしそうなら現代詩のような比喩表現であると
もいえます。つまり科学的に厳密な批評理論で
はないのです。
でも、

  われらが勃起性の器官は √-1 と等価だ

という言説をみれば学生たちはそこに何か凄い
真理を見出したくなるものです。
だって高い授業料払ってるんですから。それに
見合った凄いなにか秘密の魔術的真理を手に入
れて他の学徒や学者を知的にしのぎたいもので
す。とくに新しいもの好きの日本人は。
ラカンのいう「勃起性の器官」とか、ファルス
が現実には「不在」だとかいったことはフロイ
ト出現後、どこでもいわ
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