ヤカンによるラカンのハルキ/室町 礼
いわれつづけた三番煎じの
常套的精神分析学的解釈の踏襲であって、中味
自体は別に大した見解ではない。でも「表現」
次第では凄い理論にみえる。学生は悦ぶ。
......
ラカンは悪い意味での「現代詩人」だったんじゃ
ないでしょうか。いや、それは
ジュリア・クリステヴァもジャン・ボードリヤー
ル、ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ、
リュス・イリガライ、ブリュノ・ラトゥールら
もそうでしょう。表現豊かな詐欺師、いや、現
代詩人だった。
でも現代詩をあまり読んだことがない人はまるで
科学的で論理的な心的現象の最高度の秘密に満ち
た記述のように誤解するのかも。いや、誤解した
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