いま一度、いま千度、/田中宏輔
ができます。
草を食べる人たちは間違いなく恋の巡礼者です。
咳をすると喉が痛みます。
何回か痛みがあるとき
少し痛みがあると感じますが、少し痛みがあるときには少し痛みがあります。
私が初めて店に行って以来、長い時間が経ちました。
ただ坐って休憩して、それ以外はない。
すべてのロマンチックな日々、退屈で塗りつぶされた生活のなかで
一直線で飛ぶわよ。
重力はうつくしいわ。
私はあなたの目を忘れたくないのよ。
かつては信じる勇気を私に与えてくれたもの。
いまでも嘘をつくあなたを受け入れるわ。
私は学生だった。
まだ若い知的な娘だったのよ。
今日は私の母校に戻ってきました。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(14)