此処であり、何処かでもある/ホロウ・シカエルボク
 
まは言葉に出来るようなものではないし、仮にそれらしい言葉を当てはめてみてもきっとしっくりは来ないだろう、だから俺はその形状が語るイメージを受け止め、幾種類ものイメージをかけ合わせることでその本質に近付こうとした、その内に気付いたのだ、これこそが文章というものが存在する理由なのではないかと―語れるものを語り尽くすのではなく、語れないものの為に言葉を費やすこと、それは例えば朧げになった過去でもいいし、自分の中でずっと燻っている得体の知れない衝動でもいい、衝動、衝動は確かに在る、でもそれは誰かにとっては暴力になり、違う誰かにとっては詩情ということになる、明らかにこちらのウィークポイントを狙って一撃を入れ
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