肉体と精神を失った日本人/室町 礼
 
6作品、月平均して400字詰原稿用紙を1000枚
書いたという
売れっ子作家だった。
その官能小説の中味がどれもこれも同じ。こんなも
のわれわれが読めといわれたら拷問と一緒だよ。
でも山手樹一郎も宇能鴻一郎もずいぶん一般庶民に
は読まれた。人気があった。
「あなた大きいわねえ。もう、いくわよ」「うっふ
〜ん」
こんなものでコーフンできる庶民大衆の頭の中って
いったいどうなってるんだ! 理解不能。
道路標識をみて
コーフンできるようなものだ。
でもだよ、山手や宇野をうんざりして読まない人に
向かって「読めないのはバカだからだ」みたいな上
から目線でいわれたら、あほかとし
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