音楽と詩?/大町綾音
が「エクリチュール」なのかもしれない。
続きます……
◯おぼろん……
「パロール」とは、歌う言葉も含めた「話し言葉」のこと。「エクリチュール」とは、「書き言葉」のこと。
ここで、興味深い話として折口信夫は、「訪う」という言葉の起源について解説しているのですが、「訪う」の「おと」とは、正しく「音」のことらしいのです。
というのは、どういうことかと言うと、日本の古代の社会では「厄」つまり「悪縁」をはらうために、神に扮した芸人が人びとの戸口を訪れて音曲を踊るという習慣があった。このとき、彼らが人びとの家の戸口を叩く音こそが「神の<おとずれ>」として解釈された──<芸能の始ま
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