物語は終わり、別な物語がまた始まる/山人
 
は助かる額だ。
 数日後、グリーンシーズンの雇用先から5月1日から雇い入れの連絡があった。また始まるのか、という失意に襲われた。それも連休明けからではなく、1日からだという。暗い目をし、ぼそぼそと会話をする私がそこにいるわけだが、まったく肩身の狭い月日がまた始まるのだ。それを再び7か月我慢しなければならない。それを考えると気持ちが塞いでいくのを感じる。
 そういえばH氏と8回ほどBCに行った。彼は同部落の人間だが、実家は新潟県長岡市であり、勤務は東京の大手ゼネコン勤務だった。数年前に定年となり、今は此方に別荘を構え、この集落の住民となって四季を通じ住んでいる。年齢は63歳だが悠々自適のようで、
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