ナレーション魂。ナレーション熱/鏡文志
を見てくれは、どの時代も嫌われるのです。ヴァンゴッホもパブロピカソもとてつもない批判を浴びて来た人です。無視されることさえあったでしょう。目を背けるような個性があったからです。宮沢賢治もそうです。夏目漱石もそう。彼は無私的なものを好んで語りましたが、彼らは決して無私の人ではなかった。強烈なエゴイストだったと思います。
エゴや無私というものをどう考えるか? この世界の中で自分が追うべき役割を知り、それを真っ当したいという時、そこには欲望があります。それは、食べ物が食べたい、集団で目立ちたいという欲望とは、また違うものです。それが全う出来た時、その人は無私になる。つまり海の神であり、山の神と同じ
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