冷えた眠り/ホロウ・シカエルボク
 
ことがないからわからないけれど、思い出すたびに眠るのが怖くなる、いつか寝床で死ぬのかもしれない、なんて考えたこともあった、まだ小学校に入ったばかりくらいのことだよ、そう、こんな夜には時々思い出す、寝返りを打った瞬間なんかに、人間なんていつまで生きていられるのかわからない、家族がばらばらになった今となっては本当にそう思う、兄弟の中で社会にとどまっているのは俺くらいなんだぜ、まあ、それにしたって底辺に滑り込んでいるだけだけどね、でもそれがなんだって言うんだ?社会的価値なんてものをカサに着るようなやつは、所詮決まった枠組みの中でしか生きられないのさ、人生なんて自分がやるべきことをやっていればそれでいいん
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