冷えた眠り/ホロウ・シカエルボク
 
いんだ、大切なのは手応えさ、外野の言うことに耳を貸しても得することなんてひとつも無いよ、自分の道を歩けるのは自分だけだ、外野に回るのはもう自分で歩けなくなった連中がすることさ、眠れない真夜中で概念的な心拍が誤作動を起こす、ほんの一瞬、運命は強制終了されるのかと狼狽えるも、それは長くは続くことはない、きっとはぐれた時間の中で本当にはないものを見たのだ、俺は眠るという行為を諦める、願望や感情を放棄して、人形のように仰向けになってじっとしている、天井の照明の傘の中で数匹の虫が乾涸びている、この前取り外して中を捨てたのはいつだったか、今からそれをしてやろうかと一瞬考えたが寝床を汚したくないので諦めた、どこ
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