冷えた眠り/ホロウ・シカエルボク
 

夜が狂うから眠りはぶつ切りにされる、幾つもの夢が混ざり合って、筋書が存在しない奇妙な色で塗り潰される、なぜこんなに身体が強張っているのか、眠ってはいけない理由がどこにあるのか、俺は理解することが出来ない、端切りされた肉みたいに夜の中に置き去りになって、薄暗い部屋の中で目を見開いているだけだ、すべてを言葉に変えられないことは知っている、だからこそ書き続けている、胸の中で渦巻くものは歳を取るほどに勢いを増す、それは俺が自分を疎かにしないからさ、研ぎ続けていれば刃物は折れるまで使える、すでに錆びてしまったやつにはこんな話をしても伝わりはしないけどね、寝返りを打っても無駄なことはわかっている、それでも
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