お弔い/201
怒りでらんらんと目を輝かせていたかと思えば、
今度は涙をためて、さめざめと泣き始める。
そりゃまあ、里で言い伝えられている異形の化け物に、くだものと一緒にご飯としてお前も供えられろと言われたら。
泣くだろうか?怒るだろうか?
想像もしないような不幸であることには違いない、のかもしれない。近くに湧いている飲み水を器に掬いながら、そこに映る自分の姿を眺める。
これを角とひとは言う。それを目だと思ったことは、自分でもない。足は二本で、人間にも似ている。腕も二本だ。でもこんなに毛深くはないし、羽根だって生えないし。象って確かこのぐらい大きいんじゃなかったかな。夢の中で見たことがあ
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