花/201
 
み(と人間が呼ぶ部分だ)を撫でながら、貧しさというものを嘆きたくなってくる。
花びらを巻き上げるだけの風が吹いた。

「親は私を売って畑を買うつもり。兄弟は結婚して、子供を育てたい。食い扶持が減ったって喜んでたわ。
わたし、何やらせてもうまくできないの。草は枯らす、動物は殴る、友達は嫌い、裁縫も料理も子守もやらせて貰えない。
頑丈なだけ、長生きするだけ、みんなごく潰しってわらうの」

いつから喋っていなかったのだろう。細い声だな、と思う。

「わたしは家族みたいに、普通に生きて、普通に死にたかったけど、それはわがままだって、分かってるだけよ」

「分かってる」

どうどう
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