花/201
 

ひらひら。ひらひら。楽しそうな笑い声を立てて。
本当に、今まで、こんな綺麗な物には触ったこともない。そう言いたげにしている気がする。

「そろそろ帰りなよ」

思ったより冷たい声が出た。

「いや」

返ってきた言葉も、遠慮会釈ない。

すっかり機嫌を損ねたらしい。憮然とした表情で遊ぶのをやめると、少女はまくし立てた。

「あんな村に帰っても、いいことなんかない。っていうかなかった。自分で来たの」

「自分で来た」

「そーよ。帰らない」

何処までが本気だろう。多分そう促したのは村人なんだろうけれども、志願したのは自分だと。
まるで戦争だ、とこめかみ(
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