どうせすべては塵になるから/ホロウ・シカエルボク
 
ともあるし、何年も前に思いついてずっと忘れていたことでもある、俺の周辺にはいつでもそういう、思考の亡霊とでもいうものがうろうろと舞っている、大昔に見た夢を思い出すみたいにそれは唐突に目の前に現れる、その日書こうとしているテーマによって相応しいものたちが勝手にやって来る、詩作というのは自然的な行為だ、当り前にそこに在る日常の具現化だ、もちろんそれは、どこに何が置いてあるというような現実の描写ではない、そこに染み込んだ記憶や、感情や、閃きの記録なのだ、なぜ書くのか?人生に理由の無い連中なんかは俺が誰も知らない存在であることを茶化している、でも俺が書き続けるのは別に、有名になりたいからじゃない、ずいぶん
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