知の偏在/室町 礼
 
の身体に例えて、知を血液とみなせば、全身に均等に行き渡
っているのが健康な状態なのですね。つまり高度な知というものは
霞が関や金融ファンドに偏在するのではなく、日本の
全産業分野に遍在しなければ、やがて国の身体が行き詰まってしまう。
今の日本は血(知)が頭に鬱血している状態といえる。
ほんとうは霞が関のような官僚の世界でも知と愚鈍との混合が
理想的といえる。
東大京大出ばかりではなく地方の三流高校の卒業生も一緒にとる
べきなのだ。
それは金融ファンドの世界もそうだし、文学の世界もそう。
愚鈍な人間の枠のない想像力は知の足かせを破り、知は愚鈍な人間
が浮かべた妄想からホコリや泥
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