Hostage/ホロウ・シカエルボク
 
どと気にすることもなくなった、いつしかそれは渇き、平坦で開けた、明るい一本の道となっていた、だが俺は理解していた、すべては所詮同じ道の上なのだと―現象のすべては、この俺の心情を反映しているのだと―俺は様々な現象を理解し、自らの奔流に振り回されることなく、自在に操ることが出来るようになっていた、俺が吐く血反吐を見て喜んでいた連中は面白くない顔をしたけれど、俺は自分が描いてきた軌跡にだいたい満足していた、だいたい、ひとつ山を越えたところでなにも終わりはしないのだ、歩み続けていれば、いつでも自分と向き合うことになる、それが地獄のようであろうと天国のようであろうと、別段頓着することは無い、それは結果を求め
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