3月初めのメモ/由比良 倖
 
ろおろしているばかりだった。中三のときにフリースクールに行ったことは、本当に、本当にいい思い出。そこで親友に出会ったから。彼ほど魅力的な人は滅多にいないし、友人になれたのは奇跡みたいな感じだ。
高校を半年も行かずに辞めて、フリースクールで出会った親友に思い切って電話を掛けたら、彼も僕とは違う高校を辞めていたと知って、僕がどんなに嬉しかったか分からない。ともかく、彼と僕とは、僕が大学に行くまで、いつもいつも一緒にいた。だから、何年会わなくても、彼との縁が切れるとは、露とも思わない。

あの頃は、十代の頃から二十代の初め頃までは、僕は本当に命がけで本と音楽を愛していた。そして、いくらでもずっと書
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