1月の日記/由比良 倖
返しだった。自己愛と自己嫌悪は同じものの裏表だ。
僕は自分を見ていない。自分以外の全ても、まるで全然見えていない。すぐに他人を悪く思ってしまう。僕がこんなに不安なのも、例えば過去に父になじられ続けたせいだとすぐに考えて、今の自分のひどい状態を、決して自分の責任でこうなったのだとは考えない。自分を変えられるのは自分だけだとは決して考えてなくて、他人や今の環境に対して、文句ばかり言っている。そしてさらに自分をひどい状態にしてしまう。そのサイクルに一度嵌まると、精神状態は加速度的に悪くなる。自分自身も嫌いだし、世界も全体的にすごく嫌になってくる。
今日、紙に書いていた日記を読み返していて、つくづ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)