de verbo ad verbum / nihil interit。 ──大 岡 信論/田中宏輔
の対話』檜山哲彦訳)のです。
ぼくはいま、詩人とは、言葉に奉仕することしかできない存在だと考えております。詩人ができることといえば、ただ言葉を吟味し、生まれ変わらせることだけだと。もちろん、それは、ほんものの詩人だけができることなのですが。しかし、それによって、詩人もまた、永遠のいのちを得ることができるのではないでしょうか。「芸術家の進歩というのは絶えず自己を犠牲にしてゆくこと、絶えず個性を滅却してゆくことである。」(『伝統と個人の才能』一、矢本貞幹訳)といった、エリオットの言葉も、それをはじめて目にしたときには、ずいぶんと驚かせられましたが、いまでは、ごく当たり前の言葉のように思ってお
[次のページ]
戻る 編 削 Point(11)