de verbo ad verbum / nihil interit。 ──大 岡 信論/田中宏輔
 
)であり、ほんとうに、そういった言葉だけが、永遠のいのちを持つものなのだと思っております。「俺はすべての存在が、幸福の宿命を待っているのを見た。」(『地獄の季節』「錯乱?」、小林秀雄訳)といったランボーの言葉や、「彼に示すがいい、どんなに物らが幸福になり得るかを、どんなに無邪気に、そして私たちのものとなり得るかを。」(『ドゥイノの悲歌』「第九の悲歌」、高安国世訳)といったリルケの言葉を、この文脈の中に読み込むこともできましょう。ホフマンスタールの言葉にありますように、たしかに、「ぼくらの肉体を揺り動かし、ぼくらをたえまなく変身させつづける言葉の魔力のためにこそ、詩は言葉を語る。」(『詩についての対
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