LET THERE BE MORE LIGHT。 ──光の詩学/神学的自我論の試み/田中宏輔
。あるいは、記憶が何かに作用したのか。それにしても、いったい、何が、筆者に働きかけたのだろうか。何が、あのような光を、筆者の目に見させたのだろうか。「屈折した光条の一つ一つが見せるのは、下層の形象のいろいろな様相ではなく、形象の全体像なので」(フィリップ・ホセ・ファーマー『紫年金の遊蕩者たち』大和田 始訳)ある。「単に物の一面のみを知るのではなく、それを見ながら全体を把握するのだ。」(オラフ・ステープルドン『オッド・ジョン』18、矢野 徹訳)。
二〇〇二年の十月に、筆者は、四冊目の詩集を上梓した。タイトルは、『Forest。』である。イメージ・シンボル事典によると、森は、「無意識」の象徴と
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