LET THERE BE MORE LIGHT。 ──光の詩学/神学的自我論の試み/田中宏輔
に与えた影響は、けっして小さなものではなかったはずである。よしんば、それが無意識領域のものであっても。いや、無意識領域の方が、意識的なところよりも影響を受けやすいものであり、人間の諸活動は、無意識領域で受けた影響の方が、より強く発現するものである。
「可視のものはみな不可視のものと境を接し──聞き取れるものは聞き取れないものと──触知しうるものは触知しえないものと──ぴったり接している。おそらくは思考しうるものは思考しえないものに──。」(『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)という、ノヴァーリスのよく知られた言葉がある。もしも、その言葉通りならば、意味せざるものが、何らかの刺激で意味するも
[次のページ]
戻る 編 削 Point(9)