人格と世界観6・ゲーテの世界観と神秘主義(下)/ひだかたけし
ある種の神秘家は曖昧な感情世界に沈潜し、
ゲーテは明確な理念世界に沈潜する。
一面的な神秘家は明確な理念を軽蔑する。
明確なものは表面的だと思っている。
生きた理念界に沈潜する人が何をどう感じているのか、何も分かっていない。
そういう神秘家が理念界へ赴くと、その冷気に凍りついてしまう。
外から熱を自分に流してくれる世界内容を求めているからである。
しかし、熱を流し込んでくれるような世界内容では、世界は解明されない。
そういう世界内容は、
主観的な刺激と混乱したイメージから成り立っているだけなのだから。
理念界の冷気について語る人は、理念を思考するだけで、体験していないのだ。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)