WELCOME TO THE WASTELESS LAND。──詩法と実作/田中宏輔
て行って、それが貪婪に追求する多くの困難を乗り越えるに足るだけの技術を備えている必要がある。」(『一八五九年のサロン』1、高階秀爾訳)と述べている。結局のところ、「一人の人間が所有する言語表象の数がその人間が更に新しいものをみつけるのに持ちうる機会の回数にたいへん影響をもつ」(ヴァレリー『レオナルド・ダ・ヴィンチの方法序説』山田九朗訳)はずで、ニーチェは、『ツァラトゥストラ』の第二部に、「断片であり、謎であり、残酷な偶然であるところのものを、『一つのもの』に凝集し、総合すること、これがわたしの努力と創作の一切なのだ。」(手塚富雄訳)と書いており、ホフマンスタールは、「出会いにあってはすべてが可能で
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