WELCOME TO THE WASTELESS LAND。──詩法と実作/田中宏輔
ている間に、精神のなかに、メモとメモの間隙を埋める新しい概念が形成されて、それらが自我に作用して、メモにある言葉と言葉を結びつけていったのかもしれない。後者の場合は、たしかめようがないのである。じっさいのところは、こうである。突然、あるメモにある言葉が目に飛び込んできて、ほかのメモにある言葉と勝手に結びついたのである。そして、そういった状態が連続して起こったのである。メモとメモが結びついている間、自我がすこぶる活発に働いていたのは、たしかなことであった。そう、わたしは実感したのである。モンテーニュの『エセー』の第?巻・第9章に、「わたしの考えはおたがいに続きあっている。しかし、ときどきは、遠くあい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(9)