WELCOME TO THE WASTELESS LAND。──詩法と実作/田中宏輔
 
が、すべてのはじまりであるかのようである。

 ところで、なぜ、メモとメモが結びついたのであろうか。放置されている間に、メモとメモの間隙を埋める新しい概念が形成されたからであろうか。ショーペンハウアーが、『意志と表象としての世界』第一巻・第九節で、ある概念が全く異なる概念に移行していく様を、図を用いて説明しているのだが、それというのも、「一つの概念の範囲のなかには、通常、若干数の他の概念の範囲と重なってくる部分がある。この後者(若干数の他の概念)の領域の一部を自分の領域上に含むことはもとよりだが、しかし自らはそれ以外になお多くの他の概念を包み込んでいるからであ」り、「概念の諸範囲がたがいに多種
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