WELCOME TO THE WASTELESS LAND。──詩法と実作/田中宏輔
りをしてみせてた。
遠かったから、はっきり顔は見えなかったけれど
ほこらしげな感じだけは伝わってきた。
思い出したくなかったけれど
思い出したくなかったのだけれど
ぼくは、むかし
あんな子どもになりたかった。
目をやるまでは、単なる文字の羅列にしか過ぎなかったメモの塊が、何度か眺めては放置している間に、あるとき、偶然目にしたものや耳にしたもの、あるいは、ふと思い出したことや頭に浮かんだことがきっかけとなって、つぎつぎと結びついていく。出来上がったものを見ると、結びつけられてはじめてメモとメモの間に関連があることがわかったり、関連がなくても、結びつけられていることによって、あ
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