夢のあと/栗栖真理亜
 
囲まれていた。
「しかも美人でもないじゃん。見ろ、このギョロっとした目。ヒェ〜、おっかね〜〜!」
髪を長く横流しにしてひょろ長い体つきをしたもう一人の男が囃し立てるように近付いてきて僕の頤を掴んだ。
「おい、あんまり乱暴なことはするなよ。なんたって、大切なお客さんなんだからよ」
せせら笑うようにもう一人の赤毛で耳に二つピアスを付けたリーダー格らしい男が止めた。
「でも、ちょっとぐらい痛い目合わせてもいいっしょ?」
口から泡を吹きながら、先ほどのひょろ長男がリーダー格に物騒なお願いを口走る。
「まあな。可愛い女のコじゃないのは残念だが、ここはひとつ、可愛がってやろうじゃないか」
舌舐
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