祭りのあと/栗栖真理亜
た。
地面に擦れて血の滲んだ肘や膝小僧には滲みる消毒液と赤チンキが塗られ、白くて清潔なガーゼで覆われて包帯でぐるぐる巻きにされた。
そして念のためという事でその後、何分後かに来た救急車に病院まで運ばれた。
両親も駆け付けてきて、検査の結果何も異常がない事が確認された僕はその日のうちに病院を退院し、両親に連れられて家に帰った。
僕を助けたあの大人の人は消防団の一員だったという事を後で知らされた。
どうしても僕はその人にお礼がしたかった。
母親は一緒にお礼をしに行きましょう、と言い、それは消防団の彼の家へお礼に行く事で実現する事になった。
僕は彼の姿を見るなりいても立ってもいられなか
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