祭りのあと/栗栖真理亜
 
出来ず、目を瞑ろうとしたところへ、黒い影がサッと自分の身に被さり、そのまま引っ張って行った。
サザッ!
アスファルトに擦れる音がして、そのまま動けずじっとしていた。
「大丈夫かっ?!」
どれくらいの時が過ぎたのだろう、気が付けば、真剣な顔をした大人の男に肩を捕まれ揺さぶられていた。
僕はあまりの急展開にしばし唖然としていた。
「お母さんはッ?!」
しかし、大人にそう聞かれても、ぼ〜ッとしてしまって答えられない。
「とりあえず、こっちへ」
そのまま僕は抱き抱えられたまま、安全な仮設テントへと連れて行かれた。

その後、僕はテントの中で女性会のおばちゃんに甲斐甲斐しく介抱された。
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