ATOM HEART MOTHER。/田中宏輔
自ら知るために。違った光が、一つの光になろうとするのだ。さまざまな瞬間に、わたしを存在させるために。違った光が、一つの光になろうとするのだ。さまざまな場所に、わたしを存在させるために。違った光が、一つの光になろうとするのだ。さまざまなわたしを存在させるために。わたしであったわたしだけではなく、わたしでありたかったわたしや、わたしが一度としてこうありたいと思い描いたことのなかったわたしをも。
わたしのなかのいくつもの日の、いくつもの時間が、いくつもの光景の、いくつもの光が、「マールボロ。」という、わたしが体験しなかった体験を通して、わたしの友人の言葉を通して、互いに照射し合い、輝きを増すので
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