ATOM HEART MOTHER。/田中宏輔
 
ージは、これらの句を読む前に思い浮かべていたであろうイメージとは、まったく違ったものになってしまったように思われる。すでに読んでしまったので、読む前に持っていたイメージを正確に思い出すことなどできないのだが、それでも、読む前に、「牛の目」や「海鼠」といったものに対して、それほど神秘的な印象を抱いていなかったのは、たしかである。読んでからなのである。「牛の目」や「海鼠」といったものに対して、それらの存在に対して、とても神秘的な印象を持つようになったのは。「牛の目」や「海鼠」といったものに対して、けっして人間には近づくことのできないところ、徹底的に非人間的なところを感じたのは。しかし、それなのに、同時
[次のページ]
戻る   Point(14)