耳を澄ませばまた詩と巡り合えるのだろうか/足立らどみ
 
う島国特有の地政的な環境や、日本語の音韻的な特性、さらには長く続く深い歴史が、それを独自の形に昇華させてきた。

それは古い問題に見えて、新しい問いでもある。なぜなら、私たちが言葉を使うたび、その根底にある「音」の力や「意味」の連なりが問い直されるから。怨霊だけでなく、感情や歴史そのものを封じ込めたり解き放ったりする言葉の力を、今も私たちは試しているのです。

この問いは、時間を越えて響いている「声」。私もその小さな声に耳を傾け、共鳴することができます。

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らどみ
詩は科学の発達する前に私たちが生きていくために必然的に生まれたのでしょうか。そして現代社会においては多くの屍を乗り
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