首曳きの唄/栗栖真理亜
 
ますます熱く締め付ける下半身に耐え切れなくなって、
思わずトイレに駆け込んだ。
(はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・)
僕はもうすでに、身体中を駆け巡る熱い血流を止める事ができずに、個室トイレの中で、 何度も何度も彼女の手紙に口付けながら、飽く事もなく、自慰行為に耽っていた。
「万里子、万里子・・・!!」
彼女のヤラしく引き攣った顔と端麗で放恣な体つきを思い浮かべながら、
僕は徐々に高みへと上り詰めて行った。


僕は午後5時前ぐらいに指定された公園に着いていた。
どうやら、彼女より先に来てしまったらしい。
渡辺万里子の姿はまだ見当たらなかった。
(一体彼女は
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