首曳きの唄/栗栖真理亜
おおぉぉぉおおおおお!!」
僕は新たな目的に燃えて、砂浜を駆け出した。
僕は砂浜を駆け出してからどうしたのかまるで記憶がない。
気が付けば、知らないアパートの一室で血塗れになっていた。
カラーン・・・。
茫然自失のまま、僕は握っていたノコギリを取り落とした。
目の前には首だけになった垣ノ内が恨めしそうに僕を見つめている。
切り口からはどくどくとまだ生暖かそうな鮮血が溢れ、徐々に床を侵食していく。
僕は続々と背筋が凍っていくような感覚に襲われ、思わず血糊のベッタリ着いた手で、頬を、ついでに額をも擦っていた。
「ヒッ!」
僕の脳の中はまるでシェイクにかけられた
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