首曳きの唄/栗栖真理亜
「痛ぅ・・・っ!」
よっぽど先程垣ノ内から与えられた仕打ちが堪えたのか、身体の節々が悲鳴を上げている。
痛みをこらえながら僕は何とか身体を起こそうと地面を這いつくばった。
(何とかこの状況を打破しなければ・・・!)
とりあえず今は、垣ノ内(あいつ)をここから追っ払うことには成功した。
後は約束した場所に待ち合わせて、それからはどうにか解決策を見つけなければならない。
(でも、どうやって・・・?)
僕は心の中で首をひねった。
ヤツを呼び出した後の事は特に何も考えていなかったのだ。
しかし、やることはひとつしかない事も頭では分かっていた。
何ともいえない笑み
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