首曳きの唄/栗栖真理亜
 
どうする?昼間だと人目についてヤバいよな?」
「それじゃあ、10時頃だとどうだろ?それだと誰とも鉢合わせしないからいいだろ?」
「そうだな。そのほうが安全だな。そうしようぜ」
垣ノ内も納得した為、待ち合わせは10時に決定した。
「絶対このことは誰にもナイショにしておこうぜ。そのほうが山分けする分もお互い減らずに手に入るだろうし、スリルもあって面白そうだぜ。分かったな?絶対に秘密だぞ」
打ち合わせた後、垣ノ内はそう言い残すと、まだ身体の節々が痛くて苦しそうな僕を残してその場を立ち去った。

僕は肩の力が抜けたように大きく深呼吸する。
とたんに身体に鋭い痛みが走った。

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