首曳きの唄/栗栖真理亜
 
眠りに着いた。

次の朝は快調とは言いがたかった。
長時間寝すぎたために、僕の頭の中は早鐘を打つように、ガンガンと痛みが鳴り響いていた。
僕が起き上がれずにベッドの上でじっとしていると、小野寺先生がそっと扉を押して部屋に入ってきた。
「どう?調子は?」
「・・・何だか頭が痛くて、起き上がれません」
しかめっ面をしながら、僕は痛む頭を抑えた。
「仕方ないわね、警察の人に直接、来てもらったほうがいいかしら?」
僕は慌てて首を横に振る。
「い、いいえ!!僕が直接警察まで行って自首します」
すると、小野寺先生も納得したのか、「そうね、そのほうがいいわね。近藤君本人
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