首曳きの唄/栗栖真理亜
』
ヤツの首は少し得意そうに、ゴロッと横に転がった。
(琵琶湖・・・)
僕は半ば呆然として心の中で呟く。
『そうだ。琵琶湖だ。そこへ行けば、すべてが分かるはずだ』
垣ノ内はそう言うと、ゴロリっと後ろに倒れるように倒れると、姿を消した。
(琵琶湖・・・。琵琶湖に行けば、何かが分かる)
僕はやつの言葉を反芻しながら、まだ呆然と机の上を見つめていた。
僕は琵琶湖の湖畔にたどり着いていた。
(垣ノ内は「琵琶湖へ行けばすべてが分かる」と言っていたが、果たして本当にわかるのだろうか?)
僕は夕闇に染まる水辺を見つめながら、そう心の中で呟いた。
すると突然頭上から
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