首曳きの唄/栗栖真理亜
 
ない!!そんな事ありませんってば!!)
僕は相手の逆鱗に触れては、何をされるか分からないといった恐怖に襲われ、
急いで自分の気持ちを打ち消した。
そうでなくとも、彼を一度蹴っ飛ばしてしまっているのだ。
今後どんな呪いをかけられるか、判ったものじゃない。
ヤツはちらりと横目で僕を見やると、呆れたようにこう言った。
『呪いをかけるかどうかは、オマエの行動次第だな』
(えっ?それはどういう・・・)
僕は理由を訊きかけて途中でハッと言い換えた。
(お願いです!!呪われない方法を教えてください!!)
『それはな、まずオマエが最初に男の首を沈めた琵琶湖に来ることだな』
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