首曳きの唄/栗栖真理亜
子さんの家の方から連絡があったわ。万里子さん、亡くなったそうよ」
「えっ!!」
驚愕の余り、思わず痛さも忘れて飛び跳ねてしまった。
まさに寝耳に水とはこの事だ。
まさか本当に彼女がなくなっていただなんて。
それじゃ、あれは・・・。
「彼女ね」
それからひとクッション置くかのように、ちょっと声のトーンを落としてからこう言った。
「妊娠してたそうよ」
またもや、驚愕の余り、僕は舌の根が乾いて、一瞬、口も聞けないような状態となった。
(そんな馬鹿な・・・)
みるみる青くなっていく僕を見て、教師はさらに追い詰める。
「何か心当たりでもある?」
無意識のう
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