首曳きの唄/栗栖真理亜
 
彼女の顔は死後数ヶ月経った死体のように目が落ち窪み、土気色の肌からはところどころ骨が突き出て、殆ど骨と皮だと見紛うばかりであった。
「ヒッ!!」
僕は彼女を突き飛ばすと、驚愕と恐怖のあまり、腰が抜けてしまい、その場にへたり込んでしまった。
「ひどい。私にあんなことしておいて。赦さない」
彼女は僕が動けないことをいいことに、ス〜〜〜っと近寄ってくると、その骸骨と化した顔で僕の顔を覗き込んできた。
(や、やめてくれ〜〜〜〜〜!!!!)
悪かった!!僕が悪かった!!だからもう、勘弁してくれ!!
僕は心の中で念仏のように唱えながら許しを請うたが、彼女はその落ち窪んで殆ど瞳がある
[次のページ]
戻る   Point(1)