首曳きの唄/栗栖真理亜
し、それは顔の表情には出さず、「いいえ」と応えたまま、うつむいて自分の教室へと戻った。
女教師もそれ以上は詮索せずに、自分の教え子達の待つ教室へ入って行ったようだ。
僕はホッと胸をなでおろした。
これ以上、面倒事はごめんだ。
あのコトが教師にでもばれようものなら、大変な騒ぎになるだろう。
生徒同士のいざこざだけでは、納まらないかもしれない。
僕は席に着くなり、机にひじを乗せ、眉根を寄せながら考え事に没頭した。
(しかし、何故万里子は来ないのだろう・・・?)
よほど、ショックだったのだろうか?
それとも、別の理由があって休んでいるのだろうか?
僕はいてもたって
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