首曳きの唄/栗栖真理亜
 
された首を生やしながら。
僕はといえば、まるで金縛りにあったかのように体が硬直し、口すら聞けない状態だった。
「・・・・・・・・・。」
ただただ見開いた目でヤツを見つめていた。
「何をそんなに驚いてるんだ?初めて会ったガラじゃあるまいし」
首はなおも喋り続けている。
僕は今にも意識を失いそうだった。
しかし何故か、見まいと思っていても、どうしても見放すことが出来ない魔力といったものにとりつかれてしまっていた。
僕は背中にびっしょりと冷や汗をかきながら、黙ってヤツを睨み付けた。
「おいおい、そんなに睨み付けるなよ。俺が何かやったか?俺はただお前の図に乗ってやっただ
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