首曳きの唄/栗栖真理亜
 
が節々から這い上がってくるような感覚に襲われ、それ以上動くことは出来なかった。
気が付くと僕の頬は涙で濡れていた。
それは痛みと恥ずかしさからではない。
どうしようもない情感が僕の心を支配していた。
「万里子・・・」
僕は思いがけず関係を持ってしまった女の名を呟くと、手で砂を掻き揚げ、顔を上げた。
しかし、顔を上げた先には、万里子の姿はなく、またもや青白い顔でにんまりと微笑を浮かべた垣ノ内の顔があった。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!」
僕は恐怖の余り、声すら出せなかった。
「よう」
垣ノ内の首が笑いながら話しかける。
地面からにょっきりと、切断され
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