首曳きの唄/栗栖真理亜
 
応なしにやって来る。
最も嫌う朝が・・・。
こういう朝こそ、最も早く訪れ、夜の静寂を駆逐してしまう。
僕は手足を縛られたまま、目覚めの悪い朝を迎えた。
捕まえられてからというもの、何もすることがなく、暴れることでストレスを発散することが僕の日課となっていた。
僕は精神病院の一房に閉じ込められ、その日から看護婦に殴り掛かった。
僕は危険人物と見なされ、暴れないように厳重にベッドに縛り付けられるようになった。
刑務所で精神異常であるという精神科医からの鑑定(お墨付き)をもらい、こうして病院のベッドに縛り付けられてから、いくつの月日が流れたのだろう?
もう、日にちを数える
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