首曳きの唄/栗栖真理亜
 

咎める様な先生の口ぶりにさすがの僕もただ項垂れるしかない。
とりあえず、頭の痛みが治まるのを待って、何とか、次の手を考えるしかないだろう。
僕は布団を頭まですっぽり被ると、寝た振りをした。
すると、布団の隙間まで先生のため息が聞こえて来た。
「本当に心配だから、先生が付いていってあげるわ。だからちゃんと調子が良くなったら声かけるのよ。解った?それまで先生、ここにいるから」
本当に迷惑である。
このまま監視され続けるなら、いっそのこと本当に警察へ行ってやろうか・・・?
「先生」
「ん、なあに?」
「僕、もう自首しに行ってきます」
僕は諦めたように、頭か
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