首曳きの唄/栗栖真理亜
を立ち去った。
僕は車に乗り込むと、急いで車を発進させた。
行き先はこの先にある琵琶湖。
もちろん助手席には生首入りのバックが置かれている。
車はただがむしゃらに目的地に向かって走っていった。
琵琶湖には不思議なほど人気がなく、濁った半透明の水が不安げな僕の顔を映し出していた。
僕は注意深く傍らのバックを持ち上げると、そのまま水の中へと落とした。
かなりたくさん石の錘を詰め込んだ為か、浮き沈みもせず、すんなりと深い水底へ潜っていった。
僕はそこでやっと安堵して深い溜息をついた。
もう一度辺りを見回すと車の止まっている岸辺へと引き返した。
車を発進させよ
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