俺は本音では自分のやることなすことについて良き編集者が欲しい/鏡文志
 
きたのだとは思う。頼れるものは自分の拙い良識と人生経験。いかりやさんだって人間だから間違えることもある。それでもどこかでこうしたらどう思う? ということに関し良き相談者は欲しかったとは思うのだ。
今は仕事とはまるで違う日常の細かな人間関係について愚痴愚痴カウンセラーに相談している人も多い。なにか志があってそれを成し遂げたい人では決してなかろう。志がない以上求めるものが安寧でしかなく、それを得るためのアドバイザーが医者であり、大量の医薬品だとはいうのは実にしっくりくる。
私の父。私の父にも志なんかひとつもなかった。ただ安定した老後と安楽な死。それだけを目指すためにシロアリのたからない家を建てたい
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